Time Holicです。
毎日があまりにも暇すぎて最近流行り?のK-POP本の元ネタになっているものをひたすら翻訳しておりました。笑
韓国語に関してはまだまだ勉強中なので、めちゃめちゃ時間がかかっていますが、面白そうなものから順に公開しようと思っています。
どこかでK-POP関連の本を読んだ時に「これがあの話かよ!」と思い出して頂ければ二度楽しめるかもしれません。
ということで、今回はK-POPアイドルを取り巻く環境問題について一部切り抜いて公開いたします。
あ、いつものように大幅にざっくりと意訳していますが、文句はいっさい受付ませんのでご了承ください。
地上波音楽番組の深刻な問題
国内の音楽番組は中高年を対象とした地上波放送のプログラムを除けば、視聴率が相当低い方である。
地上波の音楽番組は90年代から00年代初めまで10%台の視聴率を維持していたが、現在は1~2%台、良くても3%台という低調な視聴率を記録している。
また、視聴率が上がりやすい年末歌謡祭でさえも年々下落傾向にあるのが現実だ。
もちろん、YouTubeやスマート機器、IP放送、違法試聴サイトなどの放送メディアが多様化したせいで全体的なテレビ視聴率が減っていることは考慮しなければならない。
しかし、ケーブルテレビと変わらない視聴率なのは深刻な問題である。
さらに、音楽番組の編成時間も悪く (ミュージックバンクは金曜午後5時、音楽中心は土曜午後3時半、人気歌謡は日曜午後3時50分)、最初から視聴率が高く出ない部分もある。
それでも音楽番組が維持されているのは、海外で視聴するファンが一定数いるおかげである。
そして、音楽番組を通じてステージを披露する機会もあり、舞台映像を無料動画サイトにアップロードすることも可能なため、放送局と企画会社は海外の若者を狙う曲とアイドルを中心に舞台を作っている。
それと同じように韓流ブームによって人気を得たプログラムは、たとえ国内での視聴率が低くても無くそうとはしない。
音楽番組における音響問題
いわゆる機械音、オートチューンを多用するアイドルに対し「あれが歌なのか?」と問う反アイドルの意見もあるが、ソロ歌手に比べると足りない実力と歌唱力以上に劣悪な音響と舞台環境の問題がある。
マイクを持って歌えるほど歌唱力の高い歌手以外は音響があまりにも酷く、一般人がストリーミングで聴いた歌との違いを感じて聴こうともしない。
現在も様々な放送局で特別舞台を作り音響問題の改善に取り組んでいるが、未だ劣悪であることに変わりない。
音響は舞台の大きさと関係なく、基本設備とそれを調整するエンジニアの実力によって千差万別だ。
どのみち出演するアイドルはこれについて主張する発言権がないので、放送局とスタッフに全て依存する。
しかし、一度に多くのアイドルが出演すれば、それぞれの舞台に割くことができる録画時間に加え、スタッフや番組制作にかかる費用も限られてくるため、音響や舞台セットに投資するのが難しくなり劣悪な状況のまま放送することになる。
むしろリップシンクにした方が良いと思うくらい凄惨な環境だ。
このような状況で、ライブ (生歌) をさせたら歌が下手だと取られるのが世の常である。
ちなみに、アイドルの舞台は激しい振付けと共に音程が乱高下する難しい曲が大半を占める。
いくつかレジェンド級の舞台もあるが、ルックスとビジュアルが舞台を輝かせたのであって、けして音響が光らせたのではない。
同じ歌手の舞台でも地上波3社の音楽番組と積極的に音響に投資した『ユ・ヒヨルのスケッチブック』や『覆面歌王』『不朽の名曲』の舞台音響を比較してみれば音響の違いを確実に知ることができる。
ライブ (生歌) をするならマイクの性能も重要だが、ほとんどのアイドルは振付けのために性能が落ちる小さなヘッドセットマイクを使う。
ヘッドセットマイクがライブ (生歌) の際に声をどのくらいまともに拾ってくれるのだろうか?
SUPER JUNIORのリョウクは放送局が音響の改善もせずにリップシンクを排除するのは横暴だと主張した。
音楽活動の華とも言える音楽放送の舞台では不安しかないが、逆にFancamやVアプリの映像を見れば問題なく上手く歌う者もいる。
このような問題やアイドル特有の商業的な軽い音楽性と一般人の反アイドル感情が合わさって、アイドル自身は歌で一旦ひどい目に合う。
アイドルの本業が歌手なのに音楽性と実力でアピールするのが難しいという現実。
特に『土曜日は歌手だ』のブームで1990年代から2000年代の曲が逆走行して以降、昔の歌手とアイドル歌手の歌唱力やパフォーマンスを比較するネットユーザーもいる。
いわゆるアイドルポップスというものは聴くのは簡単でも歌うには難易度の高い曲が多くあり、激しい振付けも伴うため生歌が揺れやすく、一般人の目も高まったおかげで曲のクオリティーと実力が相当優れていなければそっぽを向かれる (他の歌手に関心を向ける) のがオチだ。
さらに、客観的に見ても実力が伴った歌を上手くやったにもかかわらず、ファンがアイドルを擁護しているだけだと考える人もいる。
良い曲と良い歌でグループ自体が多くの注目を集めればメンバー個々の音楽性と音楽的な力量も注目される可能性は高い。
しかし、グループとしての認知度が低く、曲のクオリティが悪ければトップクラスのボーカルラインが揃っていても、一般人に関心を持たれることはなく、アイドルとして悔しい思いをする羽目になる。
信憑性が下落した音楽番組
一般人が音楽番組を見なくなったおかげで曲を宣伝する窓口がなくなり、バラエティやラジオ番組を回りながら宣伝しなければならず、その曲のプロモーションは所属会社に100%左右されるようになった。
当然、所属会社で仕事ができなければ他のグループとの競争に負ける。
今は音楽番組と音源チャートの成績に大きな意味を持たせるのは難しいが、音楽番組は1位のスコアを確保するために出演する程度に過ぎない。
音楽番組ではいわゆるファンダムによって作られた1位となり歌手としての信憑性を見いだすことが難しいからだ。
複数の音楽番組が採用している1位を乱発させる多選方式は、音楽性や実力よりも大型企画会社の選択や巨大ファンダムの音源サポート (募金でお金を集め複数の機器でストリーミングを回すこと)、メール投票サポートなど、オンライン投票を数多くこなせば1位を獲得できる方式となり、音楽的評価とは無縁になってしまった。
バラエティ番組で新曲を宣伝し、その他の番組出演やラジオ出演でスコアを取るのもおまけ程度である。
このようにファンダムさえ上手く構築しておけば1位を獲得しやすいため、ごく少数の人気アイドルだけが独走する。
2010年代から音楽番組の順位に対する世間の注目度は急激に下がり、アイドルとそのファンを除けば1位が誰かということに全く関心がない。
当のアイドルとそのファンダムが関心を持つだけで、大多数の一般人は音源ストリーミングを軽く聴く程度で距離感がある。
事実上、2012年から韓国の音楽番組は完全な暗黒期に突入している。
『私は歌手だ』や『覆面歌王』『不朽の名曲』などの番組放送以降、一般人が好んで聴く音楽が昔の歌謡曲へと変わり、レトロブームが起きて歌唱力のある実力中心の歌手が発売した音楽と音楽プログラムが再び人気を集め始めた。
2019年からはトロットブームでトロット歌手への出演交渉が頻発し、アイドルが出演する番組自体が激減している。
トロットブームは2021年に入ってから一旦落ち着いたが、トロットのファンダムは根強く残り、『遊ぶなら何する?』『05学年 is BACK』などのバラエティ番組で2000年代初めの文化と歌謡曲が再び脚光を浴びた。
また、新旧スポーツスターのメディア露出も爆発的に増えたため、アイドル業界は相変わらず冷たい扱いを受けている。
音源チャートへ対する批判
音源チャートが一般人気を反映する指標と見るには不足がある。
2010年代半ば以降から大型企画会社に所属するアイドルが音源チャート内で幅を利かせ、『ファンサポート』『ストリーミングサポート』『海外ストリーミング工場』と呼ばれる公正性に対する議論が発生したり、知名度の少ない歌手がチャートの上位圏を占める音源買い占め疑惑などが発生した。
様々な音源サイトのチャートに差が出る理由を説明するのは難しいが、サイト利用者の統計規模があまりにも巨大なため、サイト別の『総合ランキング』は全数調査に近くなり、利用者自身がどのサイトを選択するかという特性を各サイトごとに抽出するのは非常に手間がかかる。
実際に音楽番組もサイト別のサンプリング調査まではしていない。
例えば大手キャリアでSKの利用者やKT利用者、LG利用者と分けてみても音楽を聴く傾向が異なるという根拠は無く、サイトごとのチャート順位も統計的な差はほとんど出ないからだ。
一般的な人気と音源成績が変わらない理由を証明するために無作為に抽出する方法でランキング選定をしてみても、各サイトの選定チャートに順位の差が発生することはない。
このような理由からサンプル数の大きいメロンが『無作為に抽出したサンプリング集計』という誤差の少ない方法を使用し、最も代表的な音源チャートとして認められ各音楽番組が反映する音源スコアの基準となった。
しかし、そのサンプル数の大きいメロンチャートでさえ巨大アイドルのファンダムによって操作されていると批判を受けており、2010年代後半には音源買い占め疑惑まで発生した。
音源チャート操作への反論
音源チャートと音楽番組の順位は同じではない。
アルバム販売量とメール投票などを反映する音楽番組が彼らだけの世界であることは紛れもない事実だ。
音源チャートは音楽番組より市場のパイが大きいため操作が難しい。
音楽を聴くライトリスナーの相当数が音源で聴くためボーイズグループのファンが一番難しく感じるのが音源チャートを維持することである。
しかし、これを言い換えればファンダムの力で最も票を上げにくい部門が音源であるというだけで、規模が大きなファンダムであれば音源チャートに実質的に介入することが可能だ。
実際にボーイズグループのファンは困難な中でも音源チャートを維持させている。
ただし、音楽番組に比べると一般的な人気をより多く反映させることができ、ドラマOSTなどが音源チャートを走行することもある。
2000年代に比べて、2010年代の半ば辺りからごく少数の例外を除いてアイドルグループの音源チャート力が弱まったのは事実だ。
アルバム販売量はファンダムの買い占めに近いランダムボックス式アルバムや、ファンサイン会のために一人で数十枚のアルバムを購入する手法が最近は一般的となった。
有名なアイドルの場合、数百枚を買うファンも見ることができる。
一度に複数枚を購入するファンが多ければ、多数が聴く音楽という意味では一般的な人気を反映するのが難しい。
このおかげでアルバム販売量より音源が重要とされ、どれほどヒットしたかの判断材料として音源チャートは比較的有効な資料となっている。
また、音源チャートはさまざまな指標の中でも一般的な人気を良く反映するサンプルとなるため、ヒット曲の判別基準として一般人の音源チャートに対する信憑性は音楽番組より高い方だ。
そうでなければ一般的な人気のあるソロ歌手が音源チャートでアイドルを抑え各種記録を立てられるだろうか?
確かに、明け方に大型企画会社に所属するアイドルファンがインストまでチャートに上げて占領するなど、音源も音楽番組のように彼らだけのリーグに変わる時が多い。
普段でもチャート順位全体に深刻な歪曲がみられるが、一般の利用者も多いため操作の難易度は音楽番組より高くなる。
2017年中期を盛り上げたユン・ジョンシンはアルバムどころか音楽番組に一度も出演せず、純粋に音源だけで1位を獲得しているため音源チャートがアイドルのファンダム操作だけで成り立っていると主張するのは確かに強引である。
ただし、皮肉にも音楽番組が悪口を言われることもある。
音楽番組は実際の音源チャートの人気順位とかなりかけ離れた1位を発表する場合が多いからだ。
その問題が表に浮かんで議論になったのが、音源サイトの最上位圏を占領していたソロ歌手を抜いて300位圏内にいたガールズグループが急浮上し、ミュージックバンクで1位を獲得した事件だ。
それでもそのガールズグループは1位を獲得した後に悪口だけ言われて終わったが、2018年には更に深刻な事件が起こり、人気も知名度もないインディーズ歌手の音源買い占め疑惑でリアルタイムチャートのシステム自体が変わってしまった。