やっと暖かくなって春を実感した今日この頃。
魔曲の『Bye My Monster』から一転、9ヶ月?10ヶ月ぶりに曲もボーカルラインもラップもすべてが複雑になった『The Stranger』でONFがカムバックしてましたー
新たな道を突き進もうという内容の歌詞通り、アルバムカバーも羅針盤モチーフになっていましたね。
個人的にはスキャット部分のベース音がめちゃめちゃ好みでしたが、ファンクの王道リズムからスローテンポのヒップホップ&サビの疾走感までBPMをほとんど変えずに表現したのはさすがとしか言えません。
日本では一曲の中でBPMをコロコロ変えて、さらに転調させる曲が流行っていますが、ボーカルが分散するアイドルグループだからこそリズムに変化を持たせる曲の方が楽しめるような気がします。
ちなみにこの曲の転調部分はヒョジンパートのサビで一瞬だけ。
あなたも気がついたと思いますが、あの転調は歌が相当上手くないとできない転調です。
K-POPで言えばベッキョン、日本で言えばミセスの大森さんくらい?←他にもいるかなー??
ただし、音楽番組の生歌では転調していないので聴けるのは音源だけのようです。
ま、パフォーマンスが入るとどんなに歌が上手くても誰も出来なくなる一部分なので、そこは納得。
むしろカムバックするたびに一番キツイ中盤からラストに向けて、毎回なぜか生歌の比重を多くされがちなONFのステージを称賛したいくらいです。
そして今回は、フルアルバムにしては6曲というちょっぴり少なめの曲数でしたが、歌詞をすべて並べてみるとタイトル曲に全部繋がっているので、ファンのみなさんにとって新しいコンセプトを深掘りできる絶好のアルバムだったのではないでしょうか。
ここにきてK-POPアイドルとして遅咲きになった理由にも気がついて、後はただ覚悟を決めてひたすら前に突き進むしかないことも理解できたのなら、ONFにとっても今回のアルバムは転機になると思います。
それと、もう一曲。
唯一の日本人メンバー、ユーのダンスブレイクから異常に盛り上がる曲『Night Tale』
ファンのみなさんは6曲目のファンソングの方に目を向けがちだと思いますが、私はアルバムのすべての答えがここに凝縮されていると考えたので、こちらも紹介しておきます。
僕が彷徨っていたのは、自分の心のせいだった
事務所の規模や世の中の流れではなく、自分自身が原因で進むべき道を見失ってしまった。
心の葛藤や不安、混乱が原因で数年間彷徨っていた。
そんな現実を表現した曲になっています。
歌詞だけ見ると、君 (FUSE) と僕と捉えがちですが、実際はコンセプトトレイラーに出てきた光輝く人物 (自分自身) と僕。
人生の方向性を見失い、自分の感情に翻弄されて混乱したり葛藤に苦しんだり、Strangerとは誰か、Strangerとは何なのか、今になって振り返ってみたら、結局その全ては自分自身だったよねーという物語。
…..にしちゃうと、答えを探す旅に出ていたONFのコンセプトが総崩れしてしまうので、ここは私の夢物語ということで。笑
ちなみに、私自身はシンセサイザーを多様した曲はあまり好きじゃないんですが、この曲を良しとした理由はただひとつ。
今までONFの音番&Fancam等、いろいろと観てきましたが、曲とパフォーマンスがどんなに良かったとしても、誰かが準備してくれたステージの範囲から飛び出すような覇気が全く見えなかったんですよね。
どんなにやる気があっても横幅、奥行き数メートルの箱から出る空気感?オーラがないっていうか、、そこで安定しちゃったみたいな感じ。
熾烈な争いも知らず、一寸先は闇といった目にも遭わず、すごく大切に守られてきたからこそそんな雰囲気になったんだろうけど、上には越えられない壁があって、下には壁を物ともせずに登ってくる人たちが溢れる中で、今回ばかりはきっと何かを悟ったのでしょう。
「このままふわふわと現状に甘んじてはいけない!」という覚悟が、やっとここで見えたような気がしました。
だから苦手なシンセベースのこの曲が飛び抜けて良く見えたんだと思います。
そこそこの位置で長く生きて行きたいのか、身を削ってでも壁を乗り越えて新しい世界に行くのか、、、
きっと今年はONFにとってもファンにとっても重要な年になるんじゃないかなー