Time Holicです。
前回はK-POPアイドル専用の契約書を翻訳して公開しましたが、今回は練習生用の契約書を翻訳してみました~。
練習生の契約は3年ごとに更新となりますが、乱立するオーディションに受かっただけの予備練習生 (練習生の卵) に契約書はありませんので、K-POPアイドルになりたい!練習生になりたい!と考えるあなたは、必ず以下の内容を頭にいれて本国へ渡ってくださいね。
第1条 目的
この告示は大衆文化芸術分野練習生の権益向上において公正な営業環境造成を支援するため、関連事項を反映し、練習生標準契約書を定めることを目的とする。
第2条 練習生標準契約書の種類
標準契約書は『別表1』の内容に従う。
第3条 見直し期限
この告示について2020年1月1日基準で毎3年となる時点 (毎3年目の12月31日までをいう) ごとに、その妥当性を検討し、改善等の措置を行わなければならない。
付則
この訓令は発令した日から施行する。
[別表1]
大衆文化芸術企画会社 (以下『企画会社』とする) と練習生は、次のように練習生契約を締結するにあたって相互信義誠実としてこれを履行する。
第1章 総則
第1条 (目的および定義)
①この契約の目的は企画会社と練習生が相互発展のため積極的に協力することを前提とし、企画会社は練習生の才能と資質が最大限発揮されるよう訓練提供等の投資を行い、練習生は企画会社が提供する訓練等に忠実に取り組み、自己開発のために努力することにより相互発展と利益を図ることにある。
②この契約において『練習生』とは、大衆文化芸術用役を提供する意思を有し、大衆文化芸術家の職業遂行に必要な能力の習得・向上を目的とする訓練の提供を受けるために企画会社と契約を締結する者をいう。
第2条 (契約期間)
①この契約の契約期間は◯年◯月◯日から◯年◯月◯日 (◯年◯ヵ月) とする。
②第1項による契約期間は3年を超えることはできない。
③この契約の適用範囲は大韓民国を含む全世界地域とする。
第3条 (企画会社の権限および義務)
①企画会社は練習生が大衆文化芸術家に成長するための必要な訓練 (例 : 演技・ボーカル・振付け等をいい、以下『訓練活動』とする) を練習生に提供し、この契約による練習生の義務を誠実に履行することを練習生に要請することができる。
②企画会社はこの契約による練習生の義務以外に練習生の私生活、もしくは人格権を侵害、または侵害するおそれのある行為を求めてはならず不当な金品を要求してはならない。
③企画会社はこの契約による練習生の訓練活動を第三者が侵害、または妨害する場合には、その侵害、もしくは妨害を排除するために必要な措置をとらなければならない。
④企画会社は練習生に極度のうつ病傾向等が発見された場合、練習生同意の下で適切な治療を支援することができる。
⑤企画会社は練習生の事前書面同意を得た後、この契約上の権利、または地位の全部、または一部を第三者に譲渡することができる。
第4条 (練習生の権限および義務)
①練習生は企画会社が提供する訓練活動に忠実に臨まなければならず、訓練活動関連日程等の諸事項を遵守しなければならない。
②練習生は契約期間中に企画会社の事前同意なしに第三者とこの契約と同一、または類似の契約、または大衆文化芸術に関連した契約 (大衆文化芸術用役提供契約、大衆文化芸術用役提供の斡旋契約および専属契約) を締結する等、この契約を不当に破棄、または侵害する行為をしてはならない。
③練習生は法的に、または社会上の規制上禁止される行為 (例 : 薬物の服用・販売、性犯罪、暴行、賭博、飲酒運転等) をしてはならない。
④練習生は企画会社にいつでも自分の意見を提示することができ、この契約にともなう企画会社の義務を誠実に履行することを企画会社に要請することができる。
⑤練習生は企画会社が第3条第2項の規定にも関わらず不当な要求をする場合は、これを拒否することができる。
第5条 (訓練活動費用の管理)
①企画会社は、練習生の訓練活動に要した直接費用 (以下『訓練活動直接費』とする) を練習生ごとに振り分け、計上・管理し、会計帳簿を別に作成しなければならない。
②訓練活動直接費の範囲は企画会社と練習生が相互協議して決める。
ただし、訓練活動直接費には企画会社の経営活動のための費用を含めることはできない。
③2人以上の練習生に同時に投資された費用の場合 (例 : 団体訓練等)、練習生ごとに均等配分して適用することを原則とするが、当該練習生の同意を得れば別に適用することができる。
④企画会社は練習生に訓練活動直接費の会計内訳を年2回 (◯月・◯月) 通知しなければならない。
⑤企画会社は練習生の要求があった場合には、第四項の規定にかかわらず訓練活動直接費の会計内訳を遅滞なく練習生に提供しなければならない。
⑥企画会社は練習生の訓練活動に要する全ての費用を原則として負担する。
ただし、企画会社と練習生が専属契約を締結することになる場合、練習生の大衆文化芸術用役提供に伴う収益から訓練活動直接費を控除することができる。
この場合、控除可否、および方法は企画会社と練習生が別途協議して決める。
第6条 (契約内容の変更)
この契約内容の一部を変更する必要がある場合には、企画会社と練習生の書面合意により変更することができ、その書面合意において他に定めがない限り変更された事項はその翌日から効力を有する。
第7条 (契約の解除または解約)
①企画会社、または練習生が故意、または過失によりこの契約上の内容に違反した場合、その相手方は違反者に対して14日間の猶予期間を定めて違反事項を是正することを要求し、その期間内に違反事項が是正されない場合、相手方は契約を解除、または解約することができる。
②練習生が重大な疾病、または傷害を負う等やむを得ずこの契約内容を継続して履行することが困難になった場合、この契約は終了する。
ただし、練習生が契約終了を目的として前の事情を招いた場合はこの限りでない。
③企画会社は、契約期間中に練習生の成長の可能性に対する評価を通じて練習生が大衆文化芸術家としての可能性が低いと判断される場合、この契約を解約することができる。
ただし、企画会社は練習生の成長の可能性に関する評価結果等、合理的な根拠を提示しなければならない。
④企画会社、または企画会社所属の役職員 (役員は登記役員をいい、職員は雇用形態を問わない) が練習生に対して性暴力を行使した場合、練習生は契約を解約することができる。
⑤契約解約日現在、既に発生した当事者の権利・義務はこの契約の解約によって影響を受けない。
第8条 (契約解除・解約に伴う損害賠償の請求等)
①企画会社、または練習生が第7条により契約を解除、または解約する場合、相手方に損害賠償を請求することができる。
②練習生の責任ある事由により契約が解除、または解約された場合、企画会社に発生した損害は訓練活動直接費と概算する。
③企画会社が契約内容に応じた自らの義務を忠実に履行しているにも関わらず、練習生が第4条第2項の契約締結のために契約上の内容に故意に違反した場合、企画会社は損害賠償とは別に練習生に違約罰を請求することができる。
この場合の違約罰は訓練活動直接費の50%を超えてはならない。
④第7条第2項本文、第3項または第4項により契約が終了、または解約される場合には、練習生は損害賠償義務等を負わない。
⑤企画会社、または練習生がこの契約による損害賠償金、および違約罰を負担する場合、相当の期間内に相手方にこれを支払わなければならない。
第9条 (専属契約締結等)
①企画会社はこの契約の終了1ヶ月前までに再契約、または専属契約の締結可否等を練習生に通知しなければならない。
②企画会社が第1項の規定による通知をしない場合、この契約の期間満了時に契約を終了する意思表示をしたものとみなす。
③企画会社と練習生がこの契約の終了前に専属契約を締結した場合において特段の事情がない限り、この契約は終了したものとみなす。
第10条 (秘密保持)
企画会社と練習生はこの契約の内容、およびこの契約に関して知り得た相手方の業務上の秘密を第三者に漏らしたり、不当な目的で使用してはならない。
この秘密保持義務は契約期間終了後も維持される。
第11条 (確認および保証)
企画会社は練習生に対して大衆文化芸術産業発展法により大衆文化芸術企画業者として登録したことを確認し保証する。
第12条 (紛争解決)
①この契約で発生するすべての紛争は企画会社と練習生が自律的に解決するよう努力する。
②第1項の規定により解決されない時はコンテンツ産業興法によるコンテンツ紛争調停委員会に紛争調停を申請することができる。
この場合、企画会社と練習生は調整点に誠実に取り組み、円滑な紛争解決に努める。
③企画会社と練習生が第2項の規定による調停を申請しない場合において、この契約に関する紛争の解決は通常の民事手続きにより、管轄は民事訴訟法に従う。
第13条 (付属合意)
①企画会社と練習生はこの契約の内容を補充し、この契約で定めない事項を規定するために附属合意書を作成することができる。
②練習生が青少年 (9歳~24歳) の場合、企画会社と練習生は文化体育観光部長官が定めて告示した『青少年大衆文化芸術家 (または練習生) 標準付属合意書』を締結しなければならない。
③第6条による契約内容の変更、および第1項による付属合意は、この契約の内容に背馳、または違反しない範囲で効力を有する。
ただし、第2項の附属合意書はこの契約より優先して適用される。
この契約の成立、および内容を証明するために契約書2部を作成し、企画会社と練習生が署名捺印後、各1部ずつ保管する。