Time Holicです。
本日は、NewJeansがADORに対して提起していた『専属契約の解除・信頼破綻・義務違反』などを主張する訴えの内容を整理してみました。
あなたもご存知のとおり10月30日付でソウル中央地裁がADORとの契約は有効と判断し、NewJeans側の主張はすべて棄却=全面敗訴となっています。
NewJeans側が訴えた主な内容や主張した解除理由・契約違反理由を以下に記載しますが、裁判所はいずれも『ADORの義務違反・管理不能・信頼破綻とみるには証拠が不十分』という判断を下しています。
ミンヒジン氏の解任・交替が『信頼破綻』の原因
NewJeans側は、ミンヒジン氏がグループの総括プロデューサー、代表取締役を務めていたことを重視し「彼女の解任・異動が管理体制の根幹を揺るがすものであり、信頼関係が破綻したため契約解除が正当である」と主張。
裁判所の判断は「ミンヒジン氏の代表取締役解任だけではADORにマネジメント上の公的な空白が生じたとは認められない」「ミンヒジン氏をCEOとして保証する契約上の義務を認める根拠もない」としています。
ADOR (またはその親会社) による『保護義務・管理義務』の違反
NewJeans側は、ADORがメンバーの練習生時代の映像や写真が流出したこと、また、ADORや親会社の関係者によるメンバーへの発言・扱いなど「アイドルとして保護・管理すべき義務を怠った」と主張。
裁判所は、これらの主張のうち「重大な契約義務違反、専属契約の解除根拠になるほどの義務違反とみるに足る証拠が提出されていない」と判断。
信頼関係の破綻による契約解除の主張
メンバーは「ADORとの信頼関係が完全に破綻し、これ以上一緒に活動できない」として、専属契約を一方的に解除する理由になると主張。
裁判所は「契約関係を継続する中で信頼関係が法律上解除理由になるほど切れているかは、提出された証拠等から認められない」と判断。
一方的な名称変更・独立活動の宣言
NewJeans側は2024年11月に「ADORとの契約を解除した」との記者会見を開き、新たなグループ名『NJZ』等で独立活動を行う意向も表明していました。
しかし、ADOR側は専属契約が有効であるとして『契約の有効確認訴訟』を提起し、裁判所もそれを認める判断をしています。
活動禁止・差し止め申請およびペナルティ規定
ADORは訴訟とは別に、NewJeansが契約を解除して活動することを防ぐため、仮処分 (活動差し止め) を申請。
裁判所は2025年3月に仮処分を認め、メンバーがADORの事前許可なく広告契約・活動を行うことを禁じ、それひ違反した場合、1人あたり10億ウォン (約1億円) までのペナルティ規定を命じています。
判決の内容
2022年4月21日にメンバー5名とADORが結んだ専属契約は2029年まで有効とされました。
以下は、NewJeans側が主張した8つの解約事由。
- ミンヒジン氏解任による管理空白
- 練習生時代の映像流出
- 「無視」発言等のハラスメント疑義
- 他グループによるコンセプトの類似
- 親会社社員の「無視」発言
- 協力会社関係の紛争
- 『音盤押しつけ』慣行疑惑
- 「NewJeansを捨てて新しく作り直せばいい」という報告書表現
裁判所はこれら全てを専属契約の解除事由として認められないと判断しました。
また、裁判所は「ミンヒジン氏がCEOでなければアイドル育成ができないという保障は、契約上認められていない」「ミンヒジン氏の解任・異動だけでADORの義務遂行能力が失われたとは言えない」「親会社のHYBEやADORに対する形で仕掛けられた世論戦、報道工作は契約解除の根拠とはならない」と指摘しています。
NewJeansと所属事務所ADORの裁判結果が出てから、本国ファンの間ではいろんな声が飛び交っていて、裁判所が『契約は有効』とメンバー側の主張をすべて退けたことに対し、ネット上ではちょっとした騒ぎになっていました。
「契約なんだから当然の結果で、法律的にはADORが正しいと思う」と言う人もいれば「メンバーの気持ちを考えると複雑だし、信頼関係が壊れた状態で活動を続けるのは可哀想」という同情の声もあります。
一方で「ミンヒジンの影響が強すぎた」や「結局どっちが悪いのかよく分からない」といった意見も出ていてファンダムが二分されている感じ。
他にも「10億ウォンのペナルティは重すぎるし、若い子たちに全部責任を負わせるのは酷い」といった内容もありましたが、個人的にNewJeansが正常にADORで活動していた時に掛かる費用と比べたら、だいぶ安いようにも思います。
今後、NewJeansは控訴する予定でいるようですが、もっと明確に証明できる証拠がなければ、状況を覆すのは難しいんじゃないかなー
ちなみに、この裁判でNewJeansが勝訴した場合、K-POPアイドル全体の契約について大荒れになると予想されています。
